昨年好投を許したジョンソンや新鋭左腕らに登板の可能性。粘り強く攻められるか

セ・パ交流戦は早くも折り返し、広島、阪神、横浜DeNAと対戦する後半3カードに入っていく。今週末戦う広島はセ・リーグ3連覇中で今年も首位に立っているが、出塁能力とパワー、そしてスピードを備えた攻撃陣で圧倒し勝利を重ねてきたこれまでとは少し様子が異なる。主軸だった丸佳浩が移籍した影響などもあってか得点力がやや下がっており、一方で6勝を挙げ防御率も2.02と低く保つ大瀬良大地らを中心に、生きのいい若手も飛び出してきている投手陣が奮起しバランスをとっている状況だ。

最近の交流戦での対戦成績は、一昨年は2勝1敗で勝ち越したが、昨年は辛島航、則本昂大、美馬学と実績のある投手で挑むも打線が3試合で1得点と振るわず3連敗を喫した。その際先発し抑え込まれたクリス・ジョンソンと九里亜蓮は今回の対戦でも登板する可能性がある。もう一人の先発となるかもしれない左腕の床田寛樹は、チームを支えている若手投手の筆頭で、手術からの本格復帰のシーズンながらすでに5勝を挙げている。バットの芯を外す投球でゴロの山を築く投球が光っている。

くみしやすいとはいえない投手を続けて相手にすることになりそうな今カード。投手陣が引っ張るかたちの戦いが続く楽天イーグルスだが、打線も粘り強くつないで得点をもぎとる攻撃は見せている。チャンスは限られてくるかもしれないが、そこでじっくり攻めてスコアすることで活路は開けるはずだ。

投手を助ける若手ら野手陣の守備にも期待

広島の攻撃力の核となっているのは鈴木誠也とサビエル・バティスタであるのは疑いようがない。それぞれ17本、18本の本塁打を記録［6月12日（水）終了時点］しており、投手陣は2人の前に出すランナーを減らすことが大量失点を避ける近道だ。とはいっても出塁能力の高い打者は多く簡単なことではない。身体能力を生かし好守を見せている辰己涼介や小郷裕哉といった動きのいい野手陣の力も借りながら、1つひとつアウトを重ねていきたいところだ。

なお埼玉西武、福岡ソフトバンク、北海道日本ハムとパ・リーグのライバルはいずれも広島に勝ち越している。差をつけられないためにも、確実に2勝以上を狙いたい。交流戦上位進出に向けての関門が続く。