2015/10/08 (木)
チーム

「個々の能力を引き出しながら、ひとつの目標に向かう」梨田昌孝監督 就任会見

梨田昌孝監督 就任会見

梨田昌孝氏に、来シーズンから東北楽天ゴールデンイーグルス監督に就任いただくこととなりました。

本日、イーグルスドームで就任会見を行いましたので、その一部をお伝えします。

なお、背番号は「99」番となります。

■星野仙一 取締役副会長 コメント

星野仙一 取締役副会長

我が楽天野球団は、今シーズン最下位ということで終わりまして、少し前から次期監督を探し求めていましたところ、私の中には隣にいる彼しかいないだろうと。この2年連続の屈辱を跳ね返してくれる男は、梨田監督しかいないだろうという私の気持ちが、オーナーにも十二分に伝わりまして、きょうの運びとなりました。

やりにくいのか、やりやすいのかは別としまして、私の立場としまして、十二分な戦力、スタッフを揃えてあげることが第一の仕事で、きょうここに第一歩ということで、監督と十二分にコミニュケーションを取りながら、できる限りのサポート、バックアップをしていきたいということで、きょう発表となりました。

■梨田昌孝監督 就任会見

梨田昌孝監督

梨田昌孝監督

梨田昌孝監督

梨田昌孝監督

梨田昌孝監督

皆さん、こんにちは。(監督は)3球団目となるわけですが、62歳という年齢の中で、もう一度ユニフォームを着て監督ができるというチャンスを、星野さん、球団から要請を受けて、非常にありがたく思っておりますし、私が(昭和)47年に入団したとき、札幌にも、仙台にもチームがなかったという中で、また野球ができるという喜びを感じながら、若い選手たちとともに、個々の能力をどんどん引き出しながら、ひとつの目標に向かっていける、そういうチームを作りたい。本当に嬉しく思っております。

記者:監督を引き受けられた理由についてお聞かせください。
梨田:星野副会長から『お前しかいないだろう』という、殺し文句のような、本当に短い言葉でしたが、本当に嬉しかったですし、嬉しいとともに、そんな簡単に返事していいのかなというような感じでした。(星野副会長は)現役から存じ上げている方ですし、本当に尊敬しておりますし、このチームを何とかしたいという誠意、気持ちが非常に伝わってきたので、お引き受けしました。気持ちの中では、感謝感激雨嵐というような。本当に純粋に嬉しかったし、感謝も感激もしたという、そういう思いが強いですね。

記者:今年の楽天イーグルスの戦いぶりを見て、チームの印象はいかがでしょうか。
梨田:ピッチャー含め、故障者が多かったなという気がしますし、なかなか計算できる外国人選手もいなかった。走塁に関しては次の塁へという積極的な姿勢が見えました。盗塁は非常にリスクを背負いますが、そういった中、一人ひとりが次の塁を盗む、アグレッシブに次の塁を盗る、そういうものを徹底していきたい。一人二人がそういうことを目指すのではなく、足の遅い選手も全員でやれるんだという一体感を作っていきたいなと思います。

記者:チームは最下位という結果でしたが、逆に評価できる部分は?
梨田:チームは57勝83敗3分と非常に負け数が多かったですが、盗塁をどんどん仕掛けていったということで、アウトにはなりましたけど、そういう部分は評価できるのかなと思います。それと松井裕樹投手が若く、たくさんセーブを挙げたということもありましたし、外国人選手がある程度働いてくれたら何とかなるんじゃないかという感じもしました。普通に自分たちのいいものをどんどん出していけば、だいたい5割前後の勝率になると思います。ですから、今年のような大きな負け越しというのは、あり得ないと思います。ホークスが優勝した時点で46か47くらい貯金があったはずですが、そんな事はありえないですし、あってはならないと思います。そういう部分では、楽天は、他のチームも含めてですが、首位のチームをどんどん落としていかないといけないんじゃないかと感じました。終盤まで優勝争いができるという楽しさがないといけないんじゃないかと思います。

記者:楽天イーグルスで目指していきたい野球は?
梨田:そのチームによって選手の個々の能力が違ってきます。球場の大きさとか。私が近鉄でやっていたときは、大阪ドーム。そしてボールがよく飛ぶ時代でした。ローズ、中村で(ホームラン)101本。55本と46本、彼らは打ちました。チーム全体では200本を超える。そんな野球はもうできないですよね。その代わり防御率が4.98で、1試合に5点取られる。近鉄のときは、5点取られたら6点取ればいい。7点取られたら8点取ればいい。10点取られたら11点取れば勝てるんだ。そんなことを言いながら優勝できたわけですけれども。

次に北海道へ行きますと、球場は大きい、長打力はない。だたダルビッシュをはじめとした投手陣、森本稀哲、田中賢介と機動力が使える。楽天の試合は見ていましたけど、まだまだ選手の能力、個々の性格というのはまだつかめていないですから、秋のキャンプに行って、選手の長所、自分で気が付いていない長所をどんどん引き出してあげたいなと思います。まだどんな野球とはここでは言えませんが、とりあえず勝率5割を目指す野球をしていきたいと思います。最低でも。

記者:最低でも5割とありましたが、具体的な目標をお聞かせください。
梨田:2013年は田中投手、則本投手で39勝。初年度、田尾監督の下で38勝しかできていない。それで2013年、星野監督の下で日本一。その次に2年連続で最下位。選手が慢心したとは思えませんが、一人抜けただけでこんなにガタガタするのかと。個々がもう少ししっかりすれば、すごい力になるんじゃないかと思っております。とりあえず5割以上の成績を目指しながら、(全体の)勝率が下がれば、5割でも優勝の可能性があるわけですから。何とか上位のチームを落としていく。勝率を下げる。そういう粘り強い野球をしていきたいと思います。

記者:背番号は何番に決まりましたでしょうか。
梨田:99番をお願いしたいと思います。というのも、私の恩師でもある西本幸雄さんが8度日本一に挑戦してならなかった。僕も2回日本シーリズに出て。二人で10回出て日本一になっていない。一本足らない。99歳は白寿ということで、一本足れば100ということになる。日本一という一本を目指すということで、99を球団にはお願いしております。

記者:梨田さんにとって日本一の価値とは。
梨田:憧れ、夢ですね。星野監督が3年前に日本一になられましたけど、本当に羨ましかった。ですが今度、自分が監督になれるわけですから、そういうことができる。まずはリーグ優勝、日本一を目指して、選手たちには下を向いている場合じゃない、上を見ろ!ということでやっていきたいと思います。

記者:仙台、東北の印象についてお伺いします。
梨田:本当に思いやりや暖かみ、優しさを感じる地域です。北海道もあまり野次がない、逆に激励してくれるありがたいところでしたが、東北も粘り強く、優しく応援していただけると。ただその優しさに甘えてはいけないと思います。選手たちはそれに応えるべくやっていかなくてはいけない。球場にたくさんの人たちに来ていただく。それが選手の励みにもなりますし、いいパフォーマンスができるのではないかと思います。ファンサービスも含め、東北全県、日本中のイーグルスのファンのためにも、色んなことをしていけたらなと思っております。

記者:ファンへのメッセージをお願いします。
梨田:どの球場でも応援はしていただけるのですが、パ・リーグでいいますとロッテのファンが一番目立ってる、揃っているという感じを受けます。選手を叱咤激励するような、音だけではない選手を鼓舞するような応援をしていただけるとありがたいなと思います。(応援によって)選手がよりよいパフォーマンスができると信じていますので、しっかり応援していただけたらと思います。

記者:星野副会長にお伺いします。『彼しかいない』という言葉がありましたが、具体的にどういうお気持ちでしたか。
星野:彼とは選手時代を含め、色んな野球談義、プライベートを含めた付き合いの中で、いまイーグルスの状況を見た折には、彼が適任だろうということでお願いしたというところです。

記者:梨田新監督に求める結果は。
星野:彼に任せている。結果はおいおい。我々がどれだけ戦力を整えてあげられるか、どれだけの強力なバックアップができるかというところにも関わってきますから、彼だけの責任とは考えていません。今年は『一致団結』がスローガンになっていましたが、それはちょっと程遠いなという感じも受けましたし、簡単な言葉なんでしょうけど、なかなか難しいものですから、それにどれだけ近づけるか。それを監督に与えられるかが我々の仕事だろうと思います。

記者:チームは2年連続最下位に終わりました。星野副会長から見て、選手たちに求めたいことは。
星野:私も監督時代から感じたところなんですが、勝負ですから。プロ野球という数字の中で我々は生きているわけですから、もう少し勝負にこだわって生きて欲しいなと。プライドも大事でしょうが、悔しさ、恥ずかしさも含め、悔しさが勝つ一歩になりますから。もう少し闘志を全面に出してやってもらえたらなと。そこんところは監督に任せれば、百戦錬磨の男ですから、きちっとやってくれるだろうと感じています。

記者:梨田監督は近鉄、日本ハムと経験豊かな監督ですが、選手とのコミニュケーションで最も大切にしていることはどの辺りでしょうか。
梨田:自分の強さ、あるいは弱さを選手から聞き出せるか。言う必要はないかもしれませんが、そこをちゃんと見ることができるかですね。例えば、バントが下手な選手。自分でバントが下手だと言うと使ってもらえない。バントはこういう風にするとできるんだよ、というところから始めていく。速い140キロのボールからバントを始めると怖いですが、緩い球から基本に忠実に。また、両足でやるからバントを失敗するんですね。片足だけでやるといった色んな工夫をすることで、不安は取り除かれるんですね。『こんなこと、したことがなかった』というような、目から鱗が落ちるような経験を若い選手にさせてあげて、『こんな能力があったんだ』と、一人ひとりに気付かせてあげたい。バントだけではなく、ボールの投げ方にしても。そういうことを中心に、まず試合に勝つ前に、秋のキャンプを始めて、徐々にレベルを上げていきたいなと思っています。

梨田昌孝監督 プロフィール

生年月日
1953年8月4日(62歳)

出身地
島根県浜田市

球歴(現役)
■島根県立浜田高校(→1971年ドラフト2位)
■近鉄バファローズ[1972~1988年]
・ベストナイン:3度 (1979年・1980年・1981年)
・ゴールデングラブ賞:4度(1979年・1980年・1981年・1983年)
・オールスター出場:6度(1979年・1980年・1981年・1983年・1985年・1986年)

球歴(コーチ)
■近鉄バファローズ/大阪近鉄バファローズ(一軍コーチ/二軍監督)[1993~1999年]

球歴(監督)
■大阪近鉄バファローズ[2000~2004年]※2001年:リーグ優勝
■北海道日本ハムファイターズ[2008~2011年]※2009年:リーグ優勝
通算成績[9年]1263試合 645勝594敗24分(勝率.521)

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